点数
74点
感想
「プラットフォーマー、特にGoogleによる情報の独占に警鐘を鳴らす」という内容だったが、著者は知識が豊富でとても勉強になった。
ただし、難しくて退屈な内容も多く、途中で読むのをやめてしまった。
ゼロクリックサーチ
2020年のGoogle検索の65%がゼロクリックサーチ(=検索結果の表示で終わり)だった。
天気予報や歌の歌詞などは検索結果に表示されるため、クリックしてサイトに飛ぶ必要がない。
誤情報対策
Googleは医療分野の誤情報が上位に表示されないようにアルゴリズムを調整している。
その結果、大企業や公的機関だけが上位に表示され、個人ブログなどは表示されなくなった。
一国二制度
2012年にYahooメールが興味関心連動型広告を導入しようとしたところ「電気通信事業法が禁じる”通信の秘密”の侵害にあたる」と総務省が待ったをかけた。
しかし、Gmailではすでに導入されていた。
「Googleは日本にサーバがないため、日本の電気通信事業者に当たらない」というのが総務省の解釈だが、孫正義会長は「一国二制度じゃないか」と激怒した。
結局総務省は「利用者が拒否できること」などの条件付きでYahooメールにも許可した。
2020年5月に改正電気通信事業法が成立し、日本でサービスを提供していれば国内にサーバや拠点がなくても法の適用対象となった。
Cookieによる情報収集のカラクリ
サイトAに広告事業者Zが用意したJavaScriptを設置すると、AにアクセスしたブラウザはZのサーバにもアクセスし、Zのサーバはクッキーを発行する。
このクッキーはアクセスされたサイト(ファーストパーティ)ではなく第3者のサーバで発行されるためサードパーティクッキーと呼ばれる。
Zはリファラを参照することでサイトAからの訪問者であることがわかる。
ZがAだけでなくサイトB,C,Dでも同じことを行うと、XはこのユーザーのA,B,C,Dの閲覧状況を把握することができる。
JavaScriptの内容によっては、アクセスしたことだけでなくポインタの位置やクリックの有無、テキスト入力内容なども取得可能となる。
FaceBookのいいね!ボタンも同じカラクリで、いいねが押されなくてもいいね!ボタンが表示されるだけで閲覧情報がFaceBookのサーバに送られているのである。